浄化バクテリア

●水槽内での水の浄化について(浄化バクテリア編)

 前回言及した通り、「自然の摂理」は大自然だから成立するものであって、水槽という限られた水域内では通用することのない法則の1つです。では、実際に水槽内の水を浄化し、維持していくためにはどのようにしていけば良いのでしょうか?

 これまで観賞魚・水草の育成に関して、微生物(バクテリア)による窒素系物質の分解・無害化作用が飼育水の浄化を促すとされてきました。一般的に知られている事として、何らかのエサを摂取した生体がフンをし、その中に含まれる有害なアンモニアがそれらのバクテリアによって段階的に亜硝酸塩→硝酸塩→窒素へと構成を変えて無害化されます。その各段階で自然発生するニトロソモナスやニトロバクターと呼ばれるバクテリアが関与していると考えられています。
 また、このような窒素系物質はろ過材や活性炭での吸着という方法でも減少させることが知られています。(これらの話は次項に記述します)

 これらの事柄は自然界における連鎖の研究によるところが大きく、理論上は間違っていませんし、実際の育成でも維持管理出来ている場合もありますが、これを家庭の水槽で達成するには膨大な時間や経験又は費用がかかるという場合が多いため、多くの方が途中断念するように、上手く維持管理出来ていないという事実はお解りいただけるでしょう。つまり、これらの現象は自然界で起こり得ることであって、家庭用水槽内ではその継続的な維持管理が困難であると言わざるを得ません。

 そこでエフィッシュでは、水の浄化のための連鎖を家庭用水槽内で維持管理していくために、その最重要項目の一つとして、まず、より強力な浄化バクテリアの選定を検討しました。自然発生するものに頼らない、「水槽用」のバクテリアが必要だと感じたからです。

 このことは「水創エナジー」の開発に反映され、人工的に作り出された何種類かの特殊菌が水槽内の菌社会で優先的に働き、水を浄化していくシステムを作り上げていき、かつ数年に渡ってそれを維持することが立証されました。(自然発生菌の10倍以上の分解速度:弊社実験による)一方で、菌社会においては他の優先菌を排除する性質があると言われていますが、「水創エナジー」使用の際は、そのような排除が認められませんでした。
 また、窒素系物質の分解が単純に上記の順番で行なわれず、アンモニアをいきなり硝酸塩にしたり、逆に硝酸塩をアンモニアや亜硝酸に変えるバクテリアがいることも解っています。
 この分野においては、好気性・嫌気性微生物の役割など、更なる研究が必要ですので、より優れた菌種を求めて邁進しなければなりません。

 重要なことは観賞魚・水草の育成において、ただ単純に水を入れ浄化バクテリアの活動を待つよりも、積極的に「水槽用バクテリア」を使用した方が、結果的にその後の維持管理が楽になることを飼育者がもっと認識することです。それはこれまでの単純な自然模倣的育成方法から、人工的な管理による「水槽内生態系」の維持という方法への意識改革に他なりません。