油膜対処法

トラブル対処法 油膜対処法

 水面に漂うように張る白っぽい膜のことで、通常「油膜」と呼ばれています。油と言ってもオイルや重油のようなものではなく、水槽内の有機物やたんぱく質、エサの油分、細菌の死骸など様々なものの集合体ですが、主に浮遊性のバクテリアの一種であるか、珪藻類であることがほとんどです。

 これらは元々水槽内にあった物質(塩類)からと言うよりも、空気中から或いは意外と知られていませんが、人間の「手」から入り込んだ雑菌や栄養素が発生原因となります。また、エアコンの風からもたっぷり降り注がれています。幾ら手袋をしてセットしても、様々なアクア製品はその流通段階で多くの人に触られているため混入を防ぐことは出来ません。

 これも初期段階での発生が多く、浄化作用が出来上がる前に起こりやすい傾向にあります。また、飼育の途中段階でも浄化作用が崩れると発生することがしばしばあります。
 ティッシュや新聞紙などを広げて浮かべると、一時的にその分だけの油膜は除去されますが、根本的に消化作用を改善しないと直ぐに再発生してきます。また、エアレーションや水流などで水面を「たたく」と浮遊出来なくなり、一晩もすると見えなくなりますが、水中に入っただけなので何かの機会にまた出てきます。

 少量の場合は見た目の問題だけですが、明らかに白く目立つようになるとひび割れ、水面を覆い、水面から酸素その他気体の出入りがなくなり、魚などは「鼻上げ」をしてしまいます。
 対処法としては先ずろ過材の目詰まりを疑って下さい。途中発生の場合は大抵ろ過材周辺がドロドロになっています。再利用できるものは洗浄して出来れば新しいものと交換することをお勧めします。その後、ろ過材交換による濁りは否定できませんが、浄化作用が整えば油膜も白濁も消えていることでしょう。

 また、油膜の症状は高水温の場合も多く見られます。だいたい30℃を超えると爆発的に増加し、それを切ると徐々に治まってくる傾向にあります。夏場の温度上昇が激しい時期には注意が必要です。