糸状コケ・のり状コケ対処法

トラブル対処法 コケの発生(2)

糸状のコケ

 繊維状になっているこの種のコケは、主にアオミドロやホシミドロと呼ばれる植物性プランクトンで、前述の茶コケと同様、窒素系の有機物・無機物が蓄積しており、弱アルカリ性の水質を好み硬度が高い場合に多く発生が見られます。また、水槽内に直射日光が差し込んでいたり照明の光量が多い場合も発生しがちです。

 何かに定着しているというよりも絡みついていると言った方が適当かと思われますが、取り出すときに連なりあって出てきますので比較的駆除は簡単な部類のコケと言えます。

 しかし取り出すときに繊維がちぎれて残っていると、そこからまた細胞分裂を行いますのでキリがありません。これも浄化作用が整ってくると次第に再生はしなくなるようです。
 先ずは直射日光を遮り、照明光量を少なくしていけば繁殖の勢いは治まりますので、弱ったところをエビなどに食べてもらいましょう。あまりにも硬く太いものはエビも食べませんので、手で取り除いてください。


のり状のコケ(藍藻:シアノバクテリア)

 深い緑色をしたのり状の「コケ」と言われていますが、正確には細菌:シアノバクテリアの一種です。茶コケと同様に窒素系・硝酸系・硫酸系の有機物を摂取しており、弱アルカリ性の水質を好み、硬度の高い場合に多くみられます。
 また高温の時にも発生しやすい傾向にあります。このようなスライム状の緑色の細菌には毒性があると言われており、エビや魚が摂取しないのはこのためではないかと考えられています。

 光や酸素をあまり必要としていない嫌気性生物のせいか、初期には底土の中でガラス面に近いところを中心に発生し、その後より強い個体が光のある方に進出し、水槽全体を覆ってしまう場合もあります。この種のコケは特に悪臭(硫黄やメタン)を放つため注意が必要です。

 浄化作用が衰えてくる、または進んでくる飼育期後半に発生しやすいため、対策としては浄化作用の回復を優先させるべきです。おそらく、ろ過槽内のろ過材が目詰まりを起こしているはずです。(嫌気層が増えている)再利用できるものは洗浄などして、他は交換することをお勧めします。その後水創エナジーを投与して様子を見ます。また、エサや肥料分の投与を控えるか、低カロリーのものに変えることも重要な要素になります。